2019/01/29
経営危機が本格的に表面化し、“消滅”というワードがもっとも近づいたのがこの年。結果として、『Save Our Verdy』を掲げた活動が功を奏してシーズン途中に羽生英之新社長が就任し、ゼビオがスポンサーに。消滅危機を免れることになり、昇格には届かなかったもののチームの順位も5位といま考えると比較的好成績を残し、なんか知らんけどハッピーなままシーズンを終えた記憶があります。
それが10年後に、あんな形で羽生体制の終焉を迎えるとは思っていませんでした…。
決して豊富な予算があったわけではなく、前年に大卒即戦力として加入した林陵平、藤田優人、那須川将大をわずか1年で放出。一方で河野広貴、高橋祥平や和田拓也が早くもチームの中心となり、ユース所属だった高木善朗も30試合以上に出場してすっかり柱に。柴崎晃誠はJ2ではずば抜けた存在感を発揮し、なんやで平本一樹がチームトップの10ゴールを挙げた。秋の天皇杯ではまだ中学3年だった高木大輔、菅嶋弘希もベンチ入り。
川勝監督も「過去に率いたチームの中で最も技術があるチーム」と評したように、良くも悪くも“ヴェルディらしい”パスサッカーをもっとも明確に表現したチームでした。開幕こそ5戦勝ちなしのスタートだったものの、夏には14戦無敗だった甲府、開幕から19戦無敗だった柏という上位2つを連続撃破。
あのアウェイ柏戦では、消滅危機を迎えているヴェルディ対して試合前にレイソルのゴール裏から「できる限りのことはするから頑張れよ」という声ももらいましたな。試合では、CKからカンペーのゴールで先制し、度重なるピンチを迎えながらも無失点に抑えて勝利。試合中に河野とカンペーがケンカするなんてこともありながらの素晴らしい勝利でした。
柏、甲府、福岡の上位3つの力が抜けていたこと、またヴェルディとしては序盤の不調が響いたことで昇格まではいかなかったものの、夏以降の戦いっぷりや勢いは本物で、もしプレーオフがあったらそのまま昇格までいっていたと思わせるものだったと思います。
消滅危機を乗り越え、金銭面も翌年は少なくともこの年よりは上乗せされるはず。終盤のサッカーに戦力が上積みされて川勝サッカーをさらに磨いていけば、間違いなく昇格の筆頭候補となる。そんな期待のまま、2010年シーズンは笑顔で終えたのでした。
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by 過去シーズン振り返りまとめ | コンドルとカモメのVoyage 2022年2月7日 11:18 AM