【2023振り返り】No.4 梶川諒太

あの怪我がなかったら……と思うと、悔しさも残ります。

今年は開幕から主に左サイドで出場を重ね、アウェイ徳島戦で直接FK、翌週のアウェイ藤枝戦ではクロスにヘッドで合わせるという彼には珍しいゴールで連続得点。今シーズンは主力としてチームをJ1に導いてくれる……と思っていた矢先、アウェイ清水戦での負傷により全治8ヶ月。10月のアウェイ磐田戦で復帰してベンチ入りするものの数分出場したのみでその後のゲームでは出番がなく、PO後に契約満了が発表されました。

正直なところ、純粋にいちプレーヤーとして見たときに契約満了はやはり妥当かなと思います。小柄でテクニックがあり、相手の間でボールを受けるのはうまい。パスも上手。ただ、ロティーナ時代からずっと言っていますが、やはり攻撃力が物足りない。ボランチをやるにしろ、どうしてもフィジカル面でしんどいときがある。J1でやるには厳しいなという印象。とはいえ、もし怪我なく戦い続けることができていればまだまだ成長もあったろうし、また違ったプレーヤーになっていたかもしれません。

関西人らしい明るいキャラクターと、小さい背中でチームを引っ張るリーダーシップ。どの選手よりもサポーターが味わってきた苦しみをわかってくれている。どんなときでも、ヴェルディのために戦ってくれる。誰にでも愛され、本来は絶対にチームに必要な選手……。

「ヴェルディのレジェンドになりたかった」という梶川の言葉。そうね…。俺は、「君はすでにレジェンドだよ！」とは言いません。やはりレジェンドという地位はそんな簡単なものではないし、精神的な部分はもちろん、プレー面で結果を残してこそだと思う。だから、俺は彼をレジェンドだとは言えない。

ただし。
彼がヴェルディにとって絶対に必要な存在であり、今年の昇格も彼の力があってこそだと思っているのは間違いありません。無限に選手を残しておけるのであれば、残しておきたい選手だと思います。ですが、それでもクラブは彼と別れる決断をした。それを俺らは受け入れるしかありません。ピッチ内でもピッチ外でも、J1という舞台で戦えるチームに代わっていかないといけません。

純輝とともに苦しい時期のヴェルディを支えてくれて、本当にありがとうございました。彼の力を必要とするチームは絶対にあるでしょうから、どこかで敵として対戦できることを楽しみにしています。