【2023振り返り】No.24 奈良輪雄太

ホントにこの人はすごい。
はっきり言って深澤や蓮と比べても上手じゃないし、現代的なプレーヤーではなく、上下にただただひた走り、全力で守備をする一昔前のサイドバック。他の選手だって彼のようなプレーはできるはず……。

だけど、やっぱり誰もできない。特に守備面。うまく守るとか危機察知能力とかの次元の話ではなく、とにかく守るとなったらまずは全力でゴール前に戻る。いっさい気を抜かない。誰にでもやろうと思えばできるはずなのに実際はできないことを、この年齢までやり抜いた男。

今年は開幕スタメンではあったもののしばらくベンチ外へ。ただ、8月以降のどんどんシンドくなっていく時期や、終盤のヒリヒリする昇格争いの戦いの中でベンチに帰ってきて、勝ちゲームでは試合を締める存在に。コイカジとともにチームを背骨から支えた、影の立役者。結果として今シーズンで引退を決めたものの、本当に最後の最後まで戦力としてやり切っての引退だったと思います。

特に深澤は、数年間一緒にプレーしたわけだし、奈良輪の姿を頭に入れながら来季のJ1を戦ってほしい。魂をつないでほしい。宮原のような守備は一段レベルが上だけど、奈良輪のような常に全力で人の心を動かす守備は、今のうちからやってれば絶対にやれるようになるから。

長いサッカー人生、お疲れさまでした。
ヴェルディに来てくれて、緑のユニフォームのまま引退することを選んでくれて、最後までヴェルディのために駆け抜けてくれてありがとう。