コンドルとカモメのVoyage

HKTのドキュメンタリーを見てきました

time 2016/02/15

HKTのドキュメンタリーを見てきました

観終わった瞬間にね、思ったんですよ。
「あぁ、やっぱりファンが見たかったのってこれだよなぁ・・・」

先日のブログで2回に分けて書いた通り、NMBのドキュメンタリーは素晴らしい作品だと思うんですよ。素人ながらこんなん言うのはあれですけど、ドキュメンタリーとしての質は非常に高い、それは間違いないです。
でもやっぱりどうしても拭えなかった、“これじゃない”感。

HKTのドキュメンタリーは見事に心に抱いたその思いを埋めてくれました。

以下、ネタバレも含むのでお気をつけください。

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◆指原莉乃が監督を務めた意味

NMBはおろかアイドルというのをほとんど知らない監督が描いたNMBとは対照的に、こちらの監督を務めたのは、中心メンバーであり、HKTの劇場支配人も兼任する指原。

他メンバーとは対等な立場でのメンバーとしての顔
AKBの5期生であり、HKTの1期生とは5年近いキャリアの差がある大先輩としての顔
劇場支配人としてメンバーをプロデュースする立場としての顔
48グループメンバーのNo.1として、大人たちとも堂々と接する顔

いろんな顔を持ち、HKTのことを誰よりも知る指原が今回の映画を描くわけです。

実はドキュメンタリーの作りとしては、非常にシンプルなんですよ。AKBの第1弾と同じように、メンバーのインタビューをもとにこの4年間の軌跡をたどっていく形。
1期生、2期生、3期生のそれぞれのグループトークや、宮脇咲良、兒玉遥、朝長美桜、田島芽瑠ら主要メンバーとのタイマンでのインタビューを軸に当時の映像を含めながら、「あのとき、こういう思いだったね」っていう感じで振り返っていく。

映画は、まだ選抜経験のない坂口理子へのインタビューからスタートし、次には同じく選抜経験はないが劇場でひたすら頑張り続ける上野遥が、選抜メンバーが劇場で撮影を行っているのを物陰から羨ましそうに眺めるシーンへと続く。

で、最後には、坂口は10月のシングルの選抜に、上野はこの映画の表題曲のセンターに選ばれるというストーリー。ね、わかりやすくてシンプルでしょ?

そのインタビューを全て、指原が務める。

メンバーにとって指原は、どのメンバーよりも信頼できる存在でもあり、誰よりも信頼できる大人なわけで、そりゃ誰もが素顔を見せますよね。
この素顔、裏の顔っていうんですかね、これがファンがドキュメンタリー映画に求める要素の1つなんですよ。だって、テレビじゃ絶対に見れないから。劇場だったり、握手会でも見られないもの。

そういった顔をしっかりと引き出せたのは、やはり指原が監督を務めたからなんですよ。

◆一緒に見守っているという感覚を抱く

アイドルだけじゃなく、メディア、というかテレビとかそういうものはぜーんぶ、基本的には“作られたもの”を客が見せられるものでしょ。もう映画なんて、その典型よ。

ところが、この映画については他とはちょっと違って不思議な感覚を抱かされる作りが2点ほどある。

まず1つ目。

ドキュメンタリーを作る指原が、
「あの出来事を入れようか、いやこのシーンはカットしようか」
と葛藤するシーンがそのまま挿入される。メタ的って言うですかね、こういうの?

具体的には、いわゆる「指原の支配人批判事件」「5名脱退事件」について、
「HKTを振り返るうえでこれに触れないのは、ファンの人は納得しないよね。でも、脱退した5人はHKTのことを臭わせないように活動している子もいるし、触れてほしくないと思うだろうし・・・」

“作られたもの”=作品を観にきてるのに、それを作る過程を堂々と晒す。なんか不思議な感覚ですよ。

で、もう1つ。

映画の途中途中に、指原の言葉が差し込まれるんです。ナレーションとは別に。

「あ、これはシングル選抜が発表されたときね」
「これ、指原が入る前のときの映像。見れてよかったぁ」

とかね。
ナレーションみたいに入るんじゃなく、映像を見てるとスっと横からいきなり入ってくるんですよ。まるで、指原も一緒に俺らと映画を見てるように・・・

指原はこの4年間でHKTが作られていくプロセスをメンバーとして、マネジメントする側として経験してきた。そして、そこにはファンという存在がいつもいるっていうことを十分にわかってるんですよ。まぁ関係者なら誰もがわかってるとは思うんですけどね。

でもファンはファンの立場があるし、ファンからはどうやっても見えないものある。その視線に立つことはできないこともあって、それが歯がゆくもある。
だから指原は考えたんだと思うんです、ファンがメンバーに近い目線に立って、HKTの軌跡・成長を思い出せる方法を。それが、このふとした言葉の挿入だったんじゃないかな、って。

◆まとめ

「ファンも、そうじゃない人も楽しめる映画にしたい」
と指原は言っていたけど、残念ながらそれはやっぱり難しかったんじゃないかな、って思う。メンバーが多いからね、登場人物が多いとやっぱりそれって難しいのよ。だから、NMBのみたいに、AKBの第1弾みたいに、ポイントを絞ったほうがわかりやすさはある。

でも、全てを実現しようと貪欲に狙うあたりは、指原が1位たる所以なんだろうね。

・・・。

自分がNMB推しであるぶん、なんか負けた気になってしまった。でも、じゃあNMBにこの描き方ができるか?同じような作りでNMBの良さが引き出せるか?って言ったら、できないんだよ。さや姉が指原の役割はできないし、ってかAKBやSKEでも同じ描き方はできないですよ。

HKTには指原がいた、結局それなんだなって。
HKTに負けたじゃなく、指原にはやっぱり負けた、そう思うとなんか気が楽になります(笑)

最後に、『尾崎支配人が泣いた夜』っていうタイトルの意味は、ラスト10分でわかります。なんというか、アイドル好きで良かったなって、ちょっとほっこりもします。
今回、2作を見比べてみたことでお互いのグループの良さもわかった、アイドルファンの楽しみ方も改めてわかった。

両グループおよびSKEもNGT、もちろんAKB本体がまだまだ成長が続くことを祈って、そしておいしいキャラメルポップコーンに感謝の気持ちをもってこの記事を締めます。
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コメント

  • […] 最初に言っちゃうと、ファンが観たいのはこれじゃないと思うんですよ。HKTのドキュメンタリーの感想(こちら)でも書きましたが、ファンの多くが観たいのはアイドルの裏側。テレビやSNSでも見せない顔を見たいのです。要は優子さんのアレみたいなシーンとか、TBSのこみはるのドキュメンタリー番組のような表現。 […]

    by 映画『存在する理由~Documentary of AKB48~』を観てきた感想 | コンドルとカモメのVoyage €2016年7月17日 11:00 PM

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