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【2016振り返り】冨樫剛一監督

time 2016/11/22

【2016振り返り】冨樫剛一監督

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失敗を、次のステップへ

今シーズンをもって退任が発表された冨樫さん。

2014年シーズン途中にユースの監督から昇格し、J3降格危機を回避。2015年は、最終的に失速したものの8位という成績を残した。結果的に今年の成績は残念なものになったものの、この2年の成績を考えれば今シーズンも冨樫さんが続投するのに何の疑問もなかった。

この2016年シーズン。

絶対に冨樫さんはこんなことは言わないと思うが、結果的にはかなりの面で”不運”といえるスタートだったように思う。
三竿と優也というチームの柱が抜けたこと、その代役となれる補強を行うことができなかったこと。現場としてどれだけ意欲があったのかはわからないけど、調整ままならない1月の終盤にニューイヤーカップに参戦することになり、しっかりとしたトレーニングを積むことができなかったこと。

もちろん、これらはあくまで結果論。
三竿がいなかったからこそ潮音や皓太といった有望株を早くからスタメンで起用することができたし、優也がいなかったことで鈴木椋大というポテンシャルが高いGKが経験を積むことができた。
ニューイヤーカップのお蔭でファンは1月からヴェルディの試合を観れることができたし、早い時期から実戦のなかで連携を磨くことができたかもしれない。
そう、結局は結果論。

非常に残念なことではあるが、ランドへ通っているわけではない自分みたいな人間は、普段の冨樫さんを知らない。人づてでその様子を聞くぐらい。試合開催日こそその姿を見ることができるが、結局はどの選手を起用した、誰を交代させたという采配の面しか目につかない。さらにスタジアムに足を運ぶことができないファンは、それが単なる文字情報としてしか入ってこない。

いくら冨樫さんは素晴らしい人だと誰かが主張しても、ヴェルディにとって大切な人材だと主張しても、「結果を残せなかった監督」としてしか多くの人の記憶に残らないのかもしれない。

監督とは、本当に難しい仕事だ。
俺らみたいなファンは試合後、「対策してねーのかよ」「1週間何やってきたんだよ」って言葉を吐き、偉そうにゲームのレビューなどをしたりする。「俺が監督だったらこう采配するのに」なんて言う。

果たして、まったくスカウティングをしてないのか?
そんなことあるわけがない。冨樫さんをはじめコーチングスタッフはこの道のプロだ。俺らがハイライトや雑誌やネットで仕入れた情報より、何倍もの多さの情報から相手チームのことを分析して具体的に相手のイメージを作り上げている。

今年に関して言えば、海江田さんのWEBマガジンのお蔭で、各試合毎にどういった狙いでトレーニングを積んできたのかが幾分かファンに伝わるようになったのは大きな変化だ。
スカウティングをした。
トレーニングもした。
しっかり準備した。

だけど、それがゲームで表現することができなかった。ただそれだけの話だ。
ただそれだけの話がとんでもなく難しい。

残念ながら、ゲームのなかで最大限のパフォーマンスを発揮させる術を冨樫さんは持っておらず、それが発揮できないときに修正する力がなかった。

残酷なまでの結果が、冨樫さんの未熟さを示している。
でも、結果は結果。

冨樫さんにとって、トップチームの監督として最初のキャリアは失敗に終わった。ただ、国内、国外含めてもキャリアのスタートから万事成功する指導者なんて稀。ほとんどの監督は、失敗を積み重ね、その経験のなかで自分に足りないものを身につけ、偉大な監督に育っていく。

この2年半、選手もクラブとしてのパワーもJ2下位の力しかないにも関わらず、選手を育てながら監督としての自身も育てるという難しいタスクにチャレンジした経験は絶対に無駄にならないはずだ。

個人的に思うのは、やはり冨樫さんはいったん外で再び経験を積むべきだ。
それがトップなら良いが、育成年代でも良い。クラブに残しておきたい人材ではあるが、ヴェルディというちっぽけで狭いクラブにとどまるのは指導者のキャリアとして得策ではないはず。より多くの経験を積み、再びヴェルディに戻ってきてほしい。

ヴェルディが若い選手とともに新たにスタートを切ったばかりであるのと同時に、冨樫さんのキャリアもまだ始まったばかり。

冨樫さん、2年半ありがとう。
再び、ともに戦うことができる日がくることを祈っています。

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