2019/01/29
もういつの話だったかは覚えてないんですけど、羽生前社長がずっと言ってじゃないですか、「J1に上がれば全てが変わる」って。実際、まぁ変わる部分もあるけど、そんな一気に変わることなんてないんじゃね?って思ってたんですよ。
そういう中で過ごした2024年……本当に全てが変わった。特に観客動員。これだけ長くヴェルディを見てきた俺らサポーターだって、まさかこんなことになるなんて思わなかったし、ていうかシーズンを終えた今でさえもなぜここまで観客が増えたのかは理解できてないと思うのですよ。クラブのスタッフにとっても、想定外だったと思います。本当に信じられない。
自分は仕事の関係上、毎年8~9月はスタジアムに行けないことが多く、特に今年はホームゲームに関しては8/7の広島戦の後かなり空いて、次は11/10の神戸戦でした(その間のダービー、柏、大阪、新潟は行けたんですけど)。3カ月ぶりの味スタは、空気感がまるで違いました。単純に人が多いとか、見たことない人がいっぱいいるとか、そんなんじゃなくて。言葉で表現できないんですけど、まさに“空気感”。J2時代にちょっと人が多いゲームもありましたが、あのときとはまるで違う感覚。
それ以上に驚きだったのは、アウェイゲームの動員が桁違いに増えたこと。
何度か言ってますが、3節のアウェイセレッソ戦はたぶん300人くらいしかゴール裏にはいなくて、「やっぱ昇格してもこんなもんだよね!」なんて笑ってたのですが…。ゴールデンウィークの鳥栖戦、地理的に人数的にはやはりたいしたことないんですけど、行きの成田空港で見たことない女性たちに「私たちもヴェルディの試合行くんです!」って謎に声かけられたり。
そして最終節の京都戦では、チケットはあっという間に完売。ちょっと油断してチケット販売開始から1時間くらいしてサイトみたら残り数席しかなくて、本当に焦ったほどでした。
ただ。こうした熱狂を起こした要因がピッチ上にあるのは間違いありません。
薄っぺらい言葉にはなりますが、本当に選手たちも、城福監督、スタッフ陣もよくやってくれました。
以前に、バスケ日本代表のトム・ホーバスHCがインタビューで、「『信じる』ということは簡単じゃない。深い言葉だ」というようなことを言っていました。誰でも口では「仲間を信じて」とか言うけど、本当の意味でそれを行動やプレーとして具現化していくのは決して簡単じゃない、強い信念が必要だという内容だったと記憶しています。
今年のヴェルディというチームは、本当に全員がお互いや指揮官を「信じて」戦っていたのだと感じます。そしてスタンドにいる俺らもピッチ上の選手たちを信じて、最後まで戦い抜くことができました。
アウェイ鹿島戦、後半半ばで0-3。そんなときにコールリーダーのタクヤくんが言いました。「俺らはここから4点取って勝つんだよ」って。ホーム最終の川崎戦だって、0-2から追いついたのにまた2点差に離されて、本当に心が折れそうな展開でも彼は同じようなことを言いました。
決してそれは無理やりに鼓舞する言葉ではなく、本当に今のヴェルディならそれを引き起こすだことを信じられるサッカーをやっていたからこそ発することができた言葉だっただろうし、俺らも信じて声を出し跳ね続けられたような気がします。「今日はダメだな」って思ったのは、アウェイ町田戦だけです。あの試合はもう全てがダメ。でも、本当にあの1試合だけでした。
今年1年、本当に疲れました。
選手たちもそうだろうけど、本当に目の前の全ての試合で全力でやってきたから。去年の国立でのプレーオフのようなテンションで1年間をやり抜いた。これがJ1なんだなと思います。時々「J2が恋しいわー」とかXで言ったりしましたが、そんなことは1mmも本気で思ってなくて。サッカーのレベルも、スタジアムの運営も含めた雰囲気も、J1とJ2は桁違いに違う。田舎の地方のスタジアムでまったりした空気の中での試合なんて、もう二度とやりたくないです。
あらためて、1年間ありがとうございました。お疲れさまでした。
今年はチームは6位という順位で終え、また多くの選手の契約更新にも成功し、順風満帆な12月となっています。
ただし。来シーズンは、また難しいシーズンになると思ってます。
今年は「J1昇格特需」でサポーターの数も増えたし、何よりピッチ上の選手たちも「20位でスタートしたチームがサプライズを起こしてやる」というモチベーションを持って戦っていただろうし、俺らもその気持ちでした。
前年に6位になるほどやれたんだから、そのままやれば来年も大丈夫……なんて思った瞬間、ずるずると落ちていきますよ。変に不安をあおるつもりはないですが、今年と同等以上のモチベーションで1年間を戦い抜くのって、簡単じゃないですから。
そろそろ締めます。
毎年毎年、シーズンのどこかで「つらいな、苦しいな」って感じる時が必ずあったし、シーズンの7~8割がそんな試合ばっかの年もありました。でも今年は、すべての試合が楽しくて楽しくて、「今日はどんなサッカーを見せてくれるのか」って楽しみで、「つらい、苦しい」という感情を抱くことがありませんでした(アウェイ町田戦はもはやそれ通り越して笑っちゃうくらいダメダメだったので)。こんなにも楽しくて充実した1年になったのは、ピッチ上ですばらしいサッカーを見せてくれた選手たち、それを導いた監督・コーチ陣、スタジアムを運営してくれたスタッフの方々、そしてさまざまな難しさもある中でサポーターをけん引した応援団体の方々のおかげです。本当にありがとうございました。
来年もまた楽しいシーズンを過ごせますように。
皆様、よいお年を!