2019/01/29
※写真はオフィシャルfacebookより
正直な話、加入が決まったときはやや懐疑的でしたよ。彼がヴェルディにやってくるまでの試合出場経歴は申し分ないし、経験値も十分。でも、2、3年に一回、しかもステップアップするわけでもなくチームを変えていく選手ってのは、何かしら欠陥みたいなのがあるんじゃないか?って。しかも翁長の加入が発表されたのは年が明けてからだったし、去年のチーム編成を考えれば「左利きの左サイドバック」の獲得を目指していたはず。そういう中で、両足そん色なく蹴れると言われていたとはいえ、基本は右利きの翁長を獲得したのは「狙った選手をとれなかったのかな」とか思ったんですよ。
でまぁ蓋を開けたら、こんなに素晴らしい選手だったと。結果的に37試合出場うち31試合がスタメン。開幕戦は左サイドバックでスタメンでしたが、一瞬のファウルアピールで足を止めてしまったことが逆転ゴールに繋がってしまったため、「城福さんに干された」なんて言われてるのを見たりしました。ただ、そんなことはなかろうよ、と。確かにあのプレー自体はそう見えたけど。
次節からはベンチスタート。ただこれは彼がスタメンに値しない選手と判断されたわけではなく、開幕当初のヴェルディはベンチメンバーの力量が課題であり、どのポジションに入っても高い能力を発揮できる翁長をベンチに置いておきたいという城福さんの意図があったように思います。左右サイドバックに一列前でも出場したり。結果的に4月の湘南戦でベンチスタートから出番なかったこの試合が、今シーズンにおいて唯一翁長が出場しなかった試合となりました。
3バック移行後は完全にスタメンに定着。右の宮原、左の翁長でシーズン最後まで完走。3バックだろうと4バックだろうと、その抜群の運動量と試合終盤まで粘り強く走り切る走力、左足でも精度が落ちないそのキックは圧巻。いわゆる町田時代のようなロングスローはそもそもそういう場面が少なかったけど、個人的にはそういうロングスローより、なんのことない普通のスローイン時にノーステップでピッチ中央くらいまでスっと投げられる力がすばらしいなと。
アウェイレイソル戦でのゴール隅を落ち着いて狙ったファインゴール、またバーに当たったものの最終節京都戦でのコントロールショット、またアウェイ鹿島戦で同点ゴールを呼び込んだプレースキックなど、サイドの職人としてチームに欠かせない存在でした。
またいろんなインタビューを読む限り、その人間性においてチームメイトから厚い信頼を置かれているようで。さっぱりした正確に見えるけど芯が通ってて、熱い。翁長もまた、城福サッカーの申し子と言える存在です。
来季の契約も更新済み。「居心地良すぎて慣れちゃうのがダメ」なためにこれまで数年で移籍を繰り返してきたけど、ヴェルディが彼にとって、安心しながらもモチベーションを高く保ってずっといられるチームでありますように願うばかり。