2019/01/29
ご存知の通り、堀監督が退任し、後任として城福浩さんが監督に、小倉勉さんがコーチとして入閣することが発表されました。
まず堀さんの退任に関しては妥当なものであり、むしろ遅いくらいだったとも言えるくらいです。シーズン序盤の快進撃は手腕として評価されるべきものですが、熊本戦の敗戦で失った流れを取り戻せず、直近13試合でGWの仙台戦の1勝のみ。シーズン通しても21試合で6勝、現在14位という結果は、いくら混戦でプレーオフ圏内とそこまで離れていないとはいえ納得できるものではありません。むしろ、プレーオフ圏内入りのチャンスがまだあるからこその監督交代であると言えるでしょう。
もともと2020年はスカウト部長としてヴェルディ入り。ただ、2021年は吉武コーチの退任に伴いヘッドコーチに、そして夏に件のパワハラ問題の影響もあり暫定監督に就任。シーズンオフもおそらく新監督を探していたでしょうが、契約締結に至らず、続投。いろいろとクラブに振り回された感じは否めないですが、現場での仕事はヴェルディにやってきた時点で十分に想定できたものであり、そこに同情の余地はありません。
落ち着いた人柄で堅実そうに見えて、何試合かに一回、狂気的な采配もすることも。昨年シーズン後半には、押し込んでいる展開とはいえ佐藤優平をセンターバックの位置でプレーさせたり、FWを5人投入することも。今シーズンに入ってもそういった采配が大当たりすることもありましたが、狙い通りやってのけたというよりは、大博打が当たったという感じで。
攻撃面ではここまでJ2トップクラスの破壊力を持ちながら、守備の課題をずっと解決できずにリーグ最多失点。盛岡戦の失点も、結局は深澤の凡ミスという監督としてもいかんとしがたいものであったとはいえ、J2中位のクラブなのでそういうミスは必ず起きます。「理想を体現できれば勝てる」という信念を貫きまくって爆死した前任の流れを踏襲したのは良かった面もありましたが、「常にミスの可能性が起こることを前提に徹底的にリスクを排除する」というロティーナのやり方こそがある意味J2で勝てるサッカーでもあるわけなんでね。
盛岡戦翌日に堀さんの退任だけでなく城福さんの就任が発表されたあたり、盛岡戦での結果がどうであれ決まっていたことなんだじゃないかと思います。声出し応援の日を最後に味わってもらって…というのも少しあったかもしれません。
城福さんがどんなサッカーをするのかはまだわかりませんが、国内で実績を残してきた監督…というのは事実です。シーズン前にオファーしていたニュースも出て、それは海江田さんの記事からも本当なんだと思いますが、金銭的な面で折り合いがつかなかったとのこと。その「金銭的」なところが今回は解決されたのか、城福が折れたのかはわかりません。
あるいは一つの可能性というか、いわゆる「お金がかかる」は本人がそれだけの年俸を求めるというよりは、戦力的な面でお金をかけての補強が必要、ということだったのかもしれません。「ロティーナはお金がかかる」もこの辺だったと思います。
ただ、ここまでのシーズンを見て、現有戦力でも十分にやれると城福さんが判断した…ということなのかもしれません。そこは、海江田さんが掘ってくれると期待しつつ。
最後に、堀さんには感謝です。
火中の栗を拾い続け、ヴェルディで共に戦った仲間には、最終的な結果がどうであれ感謝の気持ちでいっぱいです。当然、結果が出なかったことに対する怒の気持ちもありますが、ね。
人柄的に、多くの選手たちの信頼を集めていたのではないかと思います。ヴェルディから完全に去るのかはわかりませんが、本来の就任時のときのように、スカウトなどの役職で残ってくれないかな…と思います。
今まで、ありがとうございました。