2019/01/29
まぁそうだよな。そうなるよな。うん。
昨年、永井さん体制になって事実上の構想外となりゼルビアへレンタル移籍。すでに昨年の退団時点で“片道”な感じがありましたが、今シーズンの始動日に契約更新の発表。どこかに移籍するだろうと思っていたからこれには正直驚いたし、その一方で、「移籍先が見つからなかったんだな…」という思いも感じました。2017年の水戸で14ゴールを記録し、2018、2019年も決して出場時間が多くない中でゴールという結果を残してきた男にこの評価はちょっと寂しいなと。
チームは新たなシーズンをスタートさせたものの、そこに陵平はいていていないようなもの。
歩けないわけじゃなかろうに「ケガのため」に新体制発表を欠席(公式発表はないけど海江田さんマガジンにそのような記載あり)。練習に参加することもなく(リハビリ中らしいけどこれもほんとかどうか)、もちろん沖縄キャンプにも帯同せず。寛也や森田のようにケガ人であってもチームの公式SNSにはそれなりに登場するのに、陵平はいっさい触れられず。いうなれば幽霊部員、もはやゴーストのような存在。
そんな状態を見ていれば、「やっぱり今年プレーすることはないんだな」と思うのは当然で。自分は86年組で同世代ということもあり、今シーズンのレプリカは陵平の27番を購入しました。ただ「3月中にいなくなるかもねー」って、開幕戦の徳島で何人かと話してました。マジでそう思ってたし、実際にそうなったのであまり驚いてはいません。
自分はそこまで理解したうえでレプリカを買ったので気持ちとしては平気なのですが、陵平が帰ってきたことを喜び、彼と共に闘いたいという純粋な気持ちでレプリカを買った人もいるでしょうから、そういう人たちはかわいそうだなと思ったりします。
移籍の真相はもちろんわからないし、本当に今年ヴェルディでプレーする可能性はあったかもしれないけど、もはやゴーストみたいな存在だったのは明らか。でもそれがわからない人も当然いるわけで、そういう人に対しては、言い方悪いけどクラブの裏切りみたいに感じてしまう。翔哉のときと同じ感じがして、あまり良い感じはしません。
選手の移籍のたびにレプリカの交換とか返品対応なんてしてらんないだろうから今回もないだろうけど、去年の50周年ユニのときは皓太のぶんのキャンセル対応とかしたし、どうしますかねぇ。
あとサッカー的な面で言えば、ついにフィールドプレーヤーから185cm以上の選手がいなくなりました。CB陣も最長身が近藤と平で182cmでCBでは平均的だし、前線は純輝と雅臣が180cmだけど共にもサイドが主戦の選手。とういか雅臣に関してはCBで起用されているくらいだし。
2018年の始動日の練習を見に行った時、「今年は全体的にデカい」って思ったのを思い出しました。そりゃ当然、始動時点では陵平、ドゥグ、カルロスに加えて郡いるはずだったわけで、FWに4人も185超がいたんですよね。そこにヨンジもいたわけで。
ポジショナルなサッカーをしつつ、いざとなればなりふり構わずパワープレーを仕掛けるのがロティーなサッカーでした。自分がもっとも印象に残っているのが、2018年の第35節、アウェイの栃木戦。あの試合では下位に沈む栃木に対して攻めあぐね、0-0の拮抗した状態が長く続きました。試合前の1週間は台風の影響もあり雨が多くピッチコンディションが良くなかったこともありました。
この試合では途中から泉澤→ヨンジ、皓太→アラン、優平→陵平と小人→巨人の選手交代でどんどんチームが巨人化し、終了間際のCKから陵平がヘッドでぶち込み1-0で勝利しました。綺麗なサッカーでもある意味楽しいサッカーではないだろうけど、ロジカルなサッカーをしつつもいざとなれば勝利に執着した泥臭いサッカーをする。こういう姿はもう見れないのかな、なんて思います。
あと陵平のゴールにおいては、彼をマークしたのは大黒でした。チームの中でもヘディングが十分に強いであろう彼に大黒がマークをつかざるをえなかった。逆の事態が、今季のヴェルディで起きそうな気もしますが。
この試合後のロティーナのコメント。
「リョウヘイのパフォーマンスには非常に満足しています。出場時間は少ないですが、短い時間でもトップのパフォーマンスを見せてくれています。同時に味方を助ける意欲を出してくれています。我々は1トップで戦っていてドウグラスも良いプレーを見せてくれています。そして、ドウグラスが出る試合が多いですが、我々にとってリョウヘイは完全に信頼している選手だということに変わりはありません。ゴールは誰が決めてもチームにとって重要なもので、誰が決めても嬉しいことです。ただ、今日に関してはしばらく出場していなかったリョウヘイが決めたことは私にとっても特別な喜びです。」
そして陵平のコメント。
「イバンは数日前に声をかけてくれて、『お前はすごく良いトレーニングをしているし、プロフェッショナルな部分ですごくチームに良い影響を与えてくれている』と言ってくれました。同時に『今は試合に出られていないけど、スタメンと同じレベルでプレーできている』とも言ってくれたので、そういう思いもあってイバンと抱き合いました。」
「自分がピッチに立てない時にどんな風に淡々と自分の仕事をこなせるか、それがピッチに立った時に結果を出せるかどうかに繋がっていくと思います。そういう意味で出ていても出ていなくても自分のやるべきことをやるということを意識しています。それがチームに良い影響を与えられるといいなと思います。」
いろいろと長く書きましたが、期限付き移籍とはいえ、これで陵平とはまたしばらくお別れになるのは間違いないでしょう。ヴェルディを愛し、『緑の血が流れている』と自称する選手を決して快くとは言えない形で送り出すことになってしまったのは残念でたまりません。
とはいえ、監督が代わればサッカーが変わる。サッカーが変われば必要とされる選手も変わる。これは世界共通どこでも起きえることなので、永井さんやクラブを責めようとは思いません。ただ、おそらく出場時間に対するゴール数という意味ではここ数年のヴェルディでは高い数字を誇り、決して才能では補えない高さという武器もあり、論理的なものを超越して“点が獲れる”と思わせてくれるストライカーを必要としない(これはヨンジにも言えることですが)サッカーはいったいどんなものなのか。
2018最終節の町田戦のように、ここぞって時にゴールという結果を残してくれたのが陵平でした。プレーオフ大宮戦、そして横浜戦、ゴールを奪った平とドゥグの後ろで喜びを爆発させている陵平の姿は忘れません。
正直、ザスパ戦ではウッチーが守り、陵平が攻める、そんな相手として戦いたかったですがまぁレンタルという契約上そうならないのが残念ですが。彼の今後の活躍を、ヴェルディの仲間として、86年組の同期として、これからも応援しています。