2019/01/29
ヴェルディ愛とかよく言うじゃないですか。ジュニア、ジュニアユース、そしてユースで育った選手たちはきっとヴェルディのことをずっと愛してくれる。ヴェルディのために戦ってくれる……自分もそんな言葉を信じていました。だから数年前の何かのインタビューで橋本英郎が「ユース出身選手は、クラブ愛が少ない」みたいなことを言ってたときも、「そんなことなかろうよ」って正直思っていました。
ところがまぁここ数年、みんなホイホイ移籍していくわけですよ。
もちろん彼らにとって上のレベルでプレーすることはサッカー選手として当然のことだし、実際に翔哉、畠中、幸輝ら日本代表まで昇りつめた選手も増えているわけですから、彼らの決断は正しかったと思います。とはいえ、かといって彼らに「ヴェルディ愛」がないなんてことはもちろんないと思っていますよ。
まぁいいや、この話は。
前置きが長くなりました。
梶川の徳島への移籍。まずサッカー的な面で、ロティーナのもとで学び、かつ同じくスペイン人のリカルド ロドリゲス率いるヴォルティスへの移籍は非常に馴染みやすいのは間違いない。特に昨季の徳島はキーマンになるはずだったシシーニョが負傷によりシーズン通して使えず、岩尾をアンカーに小西や大卒ルーキーの鈴木徳真らで中盤を回している状態だったので、比較的負傷も少なく運動量もある梶川はまさにピッタリ、多くの出場機会を得られるはず。
でまぁ、コメントですよね。
非常に愛のあるコメント、本当にありがとう。
「僕はユース出身ではありませんが、大学の時に強化指定選手としてヴェルディでプレーをさせてもらい、プロ1年目をヴェルディで始め、また2017年からヴェルディでプレーし、どのユース出身選手よりもヴェルディに対する気持ちを持っていたと思っています。」
この言葉がすべて。
昨季終盤の非常に苦しいチーム状況のなか、もちろんみんながなんとかしようともがいていましたが、誰よりも走り、終了のホイッスルが鳴るとピッチにぶっ倒れ、時には顔を上げられずうっすら涙しながらゴール裏へ挨拶にきていたその姿はとても印象に残っています。
ぶっちゃけた話、2012年オフに大卒1年目であっさり移籍したときには(いろいろチーム事情があったとはいえ)「なんやねんこいつ」って思ったりもしました。それが数年の時を経て、こうやって誰よりもヴェルディのために戦ってくれる選手になり……本当にありがとう。
「今回色々な事情があって本当に悩みながら移籍する選択をしました。」
これが何を指すのかわかりません。お金なのか、戦術的なことなのか、あるいは地元関西に近いクラブということで家庭の事情なのか。ま、わからないままでいいですけどね。
来季は敵として戦うことになりますが、縦横無尽にあざとい笑顔を振りまきながらピッチを駆けまわるその姿をまた見れることを楽しみにしています。これまで本当にありがとう。そして、またいつか一緒に闘えることを願っています。