2019/01/29
やっちまったなー。別にさ、シーズンの中で調子が上がらない時期とか連敗とかは絶対やってくると思うんですよ。もちろんないに越したことはないんですけど。それがこのゴールデンウィークの3連戦ってのが痛い。みなさんも試合結果と同じくらいに声を連ねているのが、「こんなんじゃ客は増えない」ですからね。
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結果
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2018明治安田生命J2リーグ第13節
東京ヴェルディ vs ツエーゲン金沢
2018年5月6日(日)
味の素スタジアム
14:03キックオフ
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=====東京V=金沢======
(前半) 0 - 1
(後半) 0 - 0
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合計 0 - 1
●得点者
(29′) 宮崎 幾笑(金沢) 0-1
スタメン
(53′) 林 陵平 → カルロス マルティネス
(61′) 奈良輪 雄太 → 李 栄直
(79′) 平 智広 → 林 昇吾
(70′) 佐藤 洸一 → 垣田 裕暉
(70′) マラニョン → 加藤 大樹
(87′) 宮崎 幾笑 → 杉浦 恭平
ダイレクトパスと3人目の動きの少なさ
DAZNの放送を見返すと、解説の秋田さんが珍しく(?)的確なこと言ってますね。
「ヴェルディは1タッチでのパスが少ない」
そうなんです。これ、実は自分も数試合前から気になっていました。ゴール前はもちろん、中盤やディフェンスラインで回しているときにも。だから、パスコースが空いてるように見えて相手は基本的に付いてこれてるんですよね。だから守られる。
ゴール前でダイレクトパスが少ないのは、前線の距離感の問題もあると思います。ドウグラスにボールが入ってある程度キープしたところで周囲のサポートが遅い。そうしてる間に囲まれる。奪われる。攻められる…の連鎖。
ボールを奪われてばかりでドゥグだっていらいらするだろうからサイドに流れてみたところで、中央に入ってくる選手が少ないからクロスを上げても効果が薄い。次第にドゥグの動き出しも鈍くなって(連戦の疲労もあるかもしれませんが)、縦パスも効果的に入らない。バックパス。こんな負の連鎖に見えました。
数試合前の選手のコメントにもあるように、ヴェルディは3人目の動きに課題があるように見えます。
3人目の動きとは?
人によって解釈が違っている気がして、海江田さんのウェブマガジンの中で使われていたのは違うんじゃないかと思うので定義しておくと、
「AからBにパスが出る、そのパスが出る瞬間あるいはボールが動いている間に3人目のCが動き出し、Bからパスを受ける動き」
だと自分は認識しています。
「ボールが動いている間に」というのがポイントで、ディフェンスはボールの出し手と受け手に主に集中しやすいから、その視野の外で”3人目”が動くことで効果的にボールを前進させることができます。
「Bがボールを受けてからCが動き出す」のは、Bが1人目でCが2人目だし、「Aがボールを持っているときにBが動き出し、その空いたスペースをCが動いて受ける」動きもCは2人目の動きです(←これを3人目の動きと言ってる人がたまにいるように思う)。
で、今のヴェルディにはこの動きが少ないと感じるわけですが、その動きを生かして先制点を奪ったのは金沢でした。
ボランチの大橋からFWの佐藤へ縦パス。
この縦パスが入る前から、最終的にゴールを決める左SHの宮崎は動き出しているのがわかると思います。畠中はボールの行方を追っているので宮崎の動きに全く気付いていません。
で、佐藤にボールが入ったところで(本当は井林がここで潰したかった)宮崎へダイレクトでパス、ほぼフリーの宮崎は畠中のタックルをかわしてゴールを決めました。
もっとも宮崎は大橋から直接パスを受けるために先に動き出していると思いますが、結果的に3人目の動きに近い動きがうまくハマってゴールを奪うことに成功しました。
ヨンジという新たなオプション
後半に入り陵平に代えてカルロスを投入、さらに奈良輪に代えてヨンジを投入。梶川を左WBに回し、ヨンジも積極的にゴール前に飛び込ませ、明確にクロスからゴールを狙うという攻撃にシフトしました。
奈良輪が下がった際にベンチの戦術ボードが映りましたが、完全にこの形でしたね。
これくらい割り切って攻めないと点が入らない、そうロティーナが判断したうえでの策だと思います。これは去年から何度かやっているパターンで、本当は観ているほうとしてはあまり面白くないですが、今のヴェルディができるもっとも現実的な形なのかもしれません。まぁ結局ゴールを奪えなかったわけですが。
果たして…中盤はどこへいったのか。
この試合もゲームを組み立てられなかったのは、上述のとおり前線の3人の距離感が悪く攻撃が形にならなかったのが一つの要因。皓太はボールを持ったときに力を発揮する選手だし、陵平は典型的なストライカー。ドゥグも、アランがいないと元気がない。
だったら中盤でゲームを作らなきゃいけないわけですが、3-4-3だと内田・梶川の2人しかおらず、というか実質梶川が一人でボールを動かしている状態。潮音をこの試合で外したのは疲労の影響がかなり大きいと思うのですが、やはりウッチーをアンカーに、IHを2人並べる形がもっとも効率的に人もボールも動かせると思うのですが…
だったら3-1-4-2にするかって、この試合ではヨンジをIHに使う形でいくぶんかまともになりましたが、2トップにすることで両WBが多少孤立気味になる。目の前の相手が1人なら確実にかわしてくれる強さがあればいいんですが奈良輪にはそれはなく、田村は言うまでもない。
3-4-3にすればサイドである程度数的優位は作れるものの、中盤でゲームを作れない。
3-1-4-2にすれば中盤の人数は増えるけど、サイドは有効活用できない。
うーん、やっぱり4-1-2-3だと思うんですけどね。
まとめ
もしこのGW連戦のポジティブな点を見つけるなら、ここまで出場機会が少なかった選手をある程度の時間使うことができたこと(うまくハマったわけじゃなかったけど)。
この試合でのヨンジもそうだけど、個人的には昇吾が短い時間ながら思いのほか持ち味を出せていたこと。左サイドから左足のクロス…ただそれだけなんですけど、スピードがあり、かつGKが出そうで出れないところに蹴るボールの質は良かったように思います。ゴールやシュートに繋がらなかったわけだからあれですが、終了間際のコーナーキックは梶川じゃなく昇吾が蹴ってほしかったな…というところ。
まぁ終わった話です。
3連敗したのが現実なら、10戦無敗だったのも現実。
どこかで悪い波は絶対にやってくる。去年あれだけ無敵だった湘南も終盤は失速しているし、いままで1年間通して好調をキープして昇格したチームはありません。
つくづく思うのが、もし大宮戦で陵平のあのヘッドが決まっていれば、この3連戦は逆の流れになってたんじゃないか。ワンプレー、一つのゴールはその試合どころかこういう連戦だとチームの調子に影響を与える可能性があります。
とりあえず1週間空きます。相手は好調の山口。アウェイだけど、ここで流れを取り戻したいですね。
コメント
「1年間通して好調をキープして昇格したチームはありません。」
あります!2015年の大宮です!
序盤から家長・ムルジャなどが大活躍、終盤まで一気にトップで駆け抜けJ1昇格を果たしました。
2015の大宮は本当に強かった。
①藤本を出す(期待のある絶対的な実力が無い若手はどんどん使って実戦慣れさせる)
②永田を出す(逆境時にはベテランが何かやってくれるはず)
③CBを強化もしくは補強(守備の要となるのは結局ディフェンダー)
この3点を行えば確実にヴェルディは変わります。誰でも知っているようなやり方は、敵も知っています。管理人さんが「割り切ったやり方が必要」と言っているように、意表をついた思い切った奇策が今のヴェルディには必要であると決断します。
合計3試合で7失点・1得点です。しかもGW中での三連敗ですので、選手のモチベーション低下の危険性もあります。
こういう時こそ誰も思いもしない策が必要です。
自分も4-1-2-3が一番バランス良くてしっくり来ると思います。サイド・クロスも活用できる上に、中盤にも強い。
調子の悪くなった大宮戦あたりから色々とヴェルディのフォーメーションがおかしくなっているとは感じていました。
あとは管理人さんの言う通りのスピードですねスピード。
即断即決。ワンタッチ。やるだけ。やるしかない。
そして前線の3トップの潜在能力を存分に発揮できるようにロディーナの適材適所の采配ですね。
悪い流れに乗ってしまったんで恐らく次も敗北すると思いますが・・・。
ヴェルディはグランパスなどと違って短期間で急進的に変わるチームではないと思います。
by ストレート21 2018年5月7日 5:16 PM
大宮は順位的には首位を独走しましたが、夏から秋にかけて引き分け挟んだ3連敗含む4試合勝ち無しの期間が2度ありました。その絶不調の流れを止めてしまったのがヴェルディだったわけですが。
○○を出せば変わるなんて簡単な話じゃないでしょう。大宮戦で寛也を出して変わりましたか?永田を出せば変わるという根拠は?ベテランだから、というのは理由になりません。まぁここで言っても変わるものではないと思いますが。
by gk17yuta 2018年5月7日 11:14 PM
ヴェルディは状況に応じて巧妙に変化をうまく活用できる選手が多いチームではないので、特化型のフォーメーションはフィットしません。というかそもそもフォーメーションや戦術をコロコロ切り替えるようなやり方はヴェルディには合わないと思います。
ある程度、予め型やパターンを決め、腰をドンと据えてじっくり行く。しかしそれが3人目の選手やワンタッチなどのスピード欠如を発生させるわけではありますが・・・。
4-1-2-3が最も攻守万能でヴェルディスタイルにフィットしています。
by ストレート21 2018年5月7日 5:28 PM
できれb4-1-2-3よりも、実質的に5-2-3の5バックでいいと思います。
by ストレート21 2018年5月7日 5:41 PM
ベテランというのも大きな理由の1つになると思いますよ。
永田はそれだけサッカーを知っていますし、更に前所属クラブも強豪クラブで歴戦練磨のプレイヤーです。
逆境時に出せばかなり効率いいと思います。
それが根拠として認められなく、他に根拠を出す必要があるとすれば、永田は攻撃の起点にもなれるプレイヤーだからです。
大宮戦に藤本は出ましたがそれは他に問題点があったから敗北したのです。大宮戦以来藤本は活躍していません。
大宮はたかだか一時期調子悪かっただけで、総合的に見れば1年間ぶっちぎりで首位を独占していました。
厳密に話していてもキリがありませんのでこの件に関しましてはここで遮断させて頂きます。
by ストレート21 2018年5月8日 12:59 AM
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by 【Preview】夏の終わり・秋のはじまり~2018第31節vsツエーゲン金沢(A) | コンドルとカモメのVoyage 2018年8月31日 4:07 PM