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平本の引退後をめぐる海江田哲郎氏記事への疑問

time 2018/02/03

平本の引退後をめぐる海江田哲郎氏記事への疑問

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なぜ、海江田哲郎氏はこの記事を出したのか?

まず大前提として、自分は海江田さんの記事を信頼していますし、好きですよ。ご存じの通り長らくヴェルディを追い続けてきている数少ない記者ですし、他にも金になる仕事はいくつもありながら、つぶさにヴェルディを扱い続けてきていることには本当に感謝しています。スタンスも、第三者的でありながら、サポーターの心情をうまく察して書かれている記事も多く見られます。彼にしか書けない文章というものはあり、有料Webマガジンの「スタンド・バイ・グリーン」は今後もお世話になっていくことでしょう。ヴェルディサポーターとして、月に500円に値する価値が十分すぎるほどあると思っています。

ただ単にヴェルディを扱っているっていうことだけではなく、自分自身は編集者という立場から見ても、いつか一緒に仕事をしてみたいなと思っている方です。おそらくここ10年の海江田さんの記事はヴェルディのもの、それ以外のものも含めてほぼ全部読んでいますし、ノンフィクションライターとして力のある方だと思います。ものすごく個人的なこと言うと、獨協大学という世間的にはマイナーかもしれない大学出身であり、自分にとっては先輩なんですよね。まぁ学年も遠いしたぶん学部も違いますけど。

まぁそれをとりあえず前提にしつつ。
今回、割とヴェルディサポーター界隈で話題になった記事がこちら

『カズに憧れたヤンチャ小僧の28年間。平本一樹、引退後は町田で次の夢へ。』http://number.bunshun.jp/articles/-/829805

ご存知の通り、昨シーズンで引退した平本一樹の歩みとこれからを追った記事。平本本人へのインタビューを交えながらの記事ということで非常に説得力はありますし、多くの方が目を通した文章だと思います。

ところが気になったのは、その中の、契約満了の階段を扱った部分。
竹本GM、山本強化部長から契約満了を告げられ、セカンドキャリアに関する話はいっさいなかったという箇所。

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竹本一彦ゼネラルマネージャー、山本佳津強化部長との話し合いの場で、セカンドキャリアの提案はなかった。つまり、お払い箱だ。

今後のために外の世界を経験したほうがいいという親心か。そんな話は一切なく、会談は10分ほどの短い時間で終わった。長年、骨身を削ってきた平本のために、身体を張ろうとする人間はクラブの上層部には誰ひとりとしていなかった。

ある種の人々が共有したがる「クラブ」に、平本は乗っかろうとしないと見なされたのだろう。たしかに孤狼の類いは扱いやすくはない。減点方式で見れば、すぐに持ち点がすっからかんになる。

サッカークラブは、さまざまな仕事によって成り立つ総合サービス業だ。そこで、東京Vは育成年代から膨大な時間をかけ、どこにも使い道のないひとりをつくった。価値がゼロの人間を育てた側の責任は宙に漂い、取り沙汰されない。この事実を周囲はどう見るだろうか。

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非常に毒々しいというか。この辺も海江田さんらしいというか。

もしここに書かれていることが真実であればそれは非常にショッキング、残念だと思わざるをえません。ストレートにそのまま読むと、クラブ批判だと捉えらえても仕方がありません。というか、批判したいのでしょう。「ヴェルディは選手を大事にしないクラブ」という印象を読んだ人に与えてしまう記事です。

「価値がゼロの人間」と平本のことを表現しているのは素直に読むと酷い言葉だと思いますが、個人的には、それは「ヴェルディにいてこそその価値を最大限に発揮する人間」と言い換えることができ、平本のことを「価値がゼロ」の人間と思っているわけではないと思います。

・・・なぜなんでしょう。

海江田さんの立場として、なるべくクラブとは良好な関係を築きつつも、批判すべきところは批判するというのはわかります。クラブにいい顔んばかりするなんてことは求めていないし、そうであってほしくないと思います。

ただこの記事を読んで思うのは、明らかに「クラブ側の視点」が抜け落ちていること。もちろん取材に応じる応じないということもあるかとあったかと思いますが、平本側からの一方的な言葉・視点に立ってクラブを批判するような形になっていることは非常に残念。彼のこれまでの記事を読んでも、ある事象が起きたとき、それを一つの視点からのみで描き出すということはしてきていません。必ず多面的に見ながらその事象を表現してきたと思います。なぜ、こんな安直なことをしたのか。
(クラブ側の言葉は紹介していないけど、取材したうえで平本の言葉から浮かび上がってくることが事実で、彼の言葉からだけ表現したほうがずっしりくる・・・と判断してそう書いたのかもしれませんが)

新シーズンの開幕に向けてクラブが良い方向に回っているなかで、こういった記事を海江田さんの名前でこのような記事が出たことは残念、というか「なぜ?」という思いがひたすらあります。SNSを見ていても、この記事、彼に対する不快感を示す言葉をたくさん見ました。彼は一定数のファンを失ったと思います。少なくともそれは本望じゃないと思うのですが……

どんな経緯であれ、平本一樹はヴェルディのレジェンドであり、他のクラブでいろんな経験を積むのは彼にとっていいことですが、決して他のクラブに渡してはいけない人間です。そして、いつかはまた緑の服をまとっていっしょに戦ってくれると信じています。海江田さんもその辺は同じ気持ちだと思います。彼だってヴェルディのファンなんですから。

改めて言いますが、批判自体は悪いことじゃありません。間違っているものは間違っていると指摘することは問題ありませんが、そのやり方は失敗するとただ周囲に敵を作るだけで終わり。何も解決にも向かわないし、批判した本人も得るものは何もありません。(記事のPV数が上がるというのはさておき)

スタンド・バイ・グリーンでも平本のインタビュー記事を公開すると宣言しているので、もしかしたらそれを読めば少し印象が変わるかもしれません。どなたかがtwitterで言ってるのを見ましたが、あるライターの記名記事でも、媒体によって同じ人が書いたとは思えないものが出回っています。特に、Numberのようにノンフィクション的な独自の”テイスト”を持っている媒体だと、編集部側の意向もそれなりに反映されていると思いますので。SBGなら海江田さんの書けるよう書いた記事のはずなので、それを待ってみようかなと思います。

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