2019/01/29
J2に落ちて9年、本当の意味での悔しさっていうのは感じたことがなかったかもしれません。「あと一歩で勝てた」「あのシュートが入っていれば」なんて思う試合・シーンは山ほどありますけど、この福岡戦ほど「勝ちたかった」という試合はなかったかもしれません。08年に落ちたときだって、悔しさとは完全に別の感情でしたからね。
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結果
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2017昇格プレーオフ準決勝
アビスパ福岡 vs 東京ヴェルディ
2017年11月26日(日)
えがお健康スタジアム
13:03キックオフ
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=====福岡=東京V======
(前半) 1 - 0
(後半) 0 - 0
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合計 1 - 0
●得点者
14分 山瀬 功治(福岡) 1-0
スタメン
54分 渡辺 皓太 → 高木 善朗
54分 アラン ピニェイロ → カルロス マルティネス
75分 安在 和樹 → 高木 大輔
66分 松田 力 → 城後 寿
80分 山瀬 功治 → ウォン ドゥジェ
87分 仲川 輝人 → 石津 大介
福岡の壁
悲しいかな、アウェイでの福岡戦のあとに「このウェリントンがいる強い福岡を倒さなきゃ上には行けない」と書きましたが、それが現実のものとなってしまいました。
結果的に彼にゴールを割られることはなかったとはいえ、高さ、強さを生かしたポストプレーで起点を作られ、試合序盤はやはりペースを握られる展開に。攻撃面で圧倒的な存在感があるウェリントンですが、実は献身的に守備もしっかりやる選手。ときに感情的になって不安定になるときもありますが、平常心を保っているときの彼はやっかい。
失点シーンもウェリントンから。
アランが持ち出そうとしたところをウェリントンに突っつかれ、拾った山瀬がズドン。アランが低い位置からドリブルで運ぼうとするシーンはこれまでも何回かあって、「そこで奪われたら危ないやん・・・」と思いつつなんとかなってましたが、福岡は見逃してくれませんでした。
山瀬のシュートだって完全にダフってるのに、左足なのに、美しいほどにアウト回転がかかって柴さんの手から逃げるように曲がって落ちる素晴らしい軌道に。絶対に先に失点してはいけないというゲームで失点してしまい、難しいゲームとなってしまいました。
残りの約80分間は、ただひたすら攻めあぐねた、守り切られた、そんなゲームです。
左の幸輝は今日も絶好調で相手との1対1はほとんど制して何度もファールをもらっていたし、右のアンカズと合わせてクロスは何本も上がってました。ただ軌道的には悪くないけど、中と合わない。合いそうでも、福岡の守備ブロックに跳ね返せる。まさに福岡の壁。ホームでの熊本戦では最終的にドゥグが競り勝ってゴールを奪ったし、徳島戦ではセットプレーからゴールを奪えたけど、福岡の守備に甘さや隙はありませんでした。
ただ、コーナーキックに関しては前半から割といい感じにボールを入れることができていたように見えたので、逆足配置だから中にカットインしてゴールに向かうクロスが増えるのはしょうがないんですが、縦に持ち出してもう少しコーナーキックを取ってればな・・・という気はします。
ゴールを奪わなければならない状況で、あれほどの守備の堅さを誇る福岡に対してロティーナが選んだのはよりサイドで優位を作ってクロスを上げること。そのためにあまり動きが良くなかったアランに変えてカルロス、さらに善朗、最後にアンカズに変えて大輔を左サイドに入れて幸輝を右に回しました。ただ・・・幸輝に関しては、右に回ったからにはより縦にグイグイえぐってほしかった気もします。左足もそれなりに使えることになったせいか、そういう指示なのかわかりませんが、中に切り返して左足のクロスが多かったなと。
中央を崩すなら、狭い場所でもラインの間でボールを受けられる潮音を入れたり、遠目からでもミドルを撃てる中後を入れる選択肢もあったとは思いますが。まぁこの辺は選択の問題ですから、そっちならゴールを奪えていたなんて言えませんし。
結局ゴールを奪えなかった。
この試合はもちろん、今シーズンは福岡と3度対戦し無得点。試合単位で言えば、ちょっと何かあれば勝てたくらいそこまで大きな差はなかったとは思いますが、やはりこういう試合で実力通りの差を明確に結果として示せるのは、福岡の強さであり、J1あるいはプレーオフを戦ったことのあるチームの経験がなせる力。
悔しいですが、その差を見せつけられたこと、そしてこの舞台を経験できたことをポジティブにとらえて、来シーズンからの戦いにつなげていきたいですね。
一つ負け惜しみというか、負け犬の遠吠えと言われてもいいから言いますけど。アビスパの中心にはウェリントン、駒野、山瀬、杉山、三門ら今の時点である程度完成されている選手も多いですよね。もちろん、冨安、石津、亀川、(レンタルだけど)仲川ら将来が楽しみな選手もいるんですけど、チームとしては今の状態がある程度完成されているのかなって。そう考えると、うちのほうがまだまだノビシロはある、未完成なチームなんですよね。だから、今の時点で及ばなくてもしょうがないのかなと。
まぁね、うちだって引き抜かれたらノビシロもくそもないだろって話ではあるんですが、それはまた別の話しで。
まとめ
この福岡戦を含めた終盤の何試合かは、たぶん、本来やりたいサッカーではないと思います。ただ、勝つ確率が最も高いサッカー、すなわち相手の攻撃をそれなりに受け止めつつ、アラン、ドゥグに早めにボールを入れて起点を作るサッカー。そして、もはや「戦術兵器」と言って良いほどの存在となった幸輝を生かすために、サイドで彼が1対1で仕掛けられるようにカウンター気味となるサッカー。
この3トップがいなきゃ成り立たないサッカーを選び、POまで進出したロティーナの手腕はさすがです。本当に最後の最後まで楽しませてもらいました。
これで、2017年シーズンのヴェルディの戦いは終わり。シーズンの総括的なのはまた後日。この最後の一戦を現場で見届けることができなかったのも悔しいけど、自分の思いは柴さんゲーフラに乗せて託していたし、トーゴさん含め掲げてくれた方に感謝です。
去年は去年で、ああいう状況だったからこそ勝ち点3の重みや1つのゴールの大切さを思いっきり実感した1年で、それを得たときの喜びはハンパなかったですけど、やっぱりたくさん勝つのが一番楽しいし嬉しい。今年はホームでもアウェイでもその喜びをいっぱい感じて、しかも内容も伴っていて、本当に楽しい1年でした。毎試合、どういうサッカーを魅せてくれるのか、楽しみでさ。
3か月後、またスタジアムでみなさんと笑顔で、今年もよろしくって再会できますように。お疲れさまでした!