2019/01/29
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成長をみせたベテランGK
佐藤優也の移籍により回ってきたチャンス。背番号も慣れ親しんだ26から1へ。長いキャリアのほとんどをサブGKとして過ごしてきた柴さんが、久々に初めてシーズン初めから正GKとしての期待がかかっていた今年。
やはり練習なんかをみていても、シュートストップ能力、キックの精度という点では椋大と太田を上回っているのは確か。椋大がポロポロこぼすようなシュートも柴さんはしっかりキャッチするし、パントキック・プレースキックともにターゲットとなるコーチがほとんど移動することなくそのポイントにボールが到達する。軌道も余計な横回転がかかることなく低くてやさしい。この試合前の練習だけ見ていてもこれだけ基礎技術の差が明確にあるんだから、柴さんが正GKに選ばれるのは納得だ。
ただ、シーズン序盤こそ期待通りレギュラーとして出場したものの、ゲームの中ではなんとなく不安定さがぬぐえない。体格を生かして1対1を制することはあっても、やはり足元でボールを扱う際、どうにもヒヤヒヤする。
そりゃ、優也のイメージが俺らにはついちゃってますからね。
奇抜なことをするけど、なんやで足元の技術はしっかりしていて、しっかりと味方につないでくれるんだもん。
やがて、調子に乗り切れないチーム状況のなか、ついに24節の清水戦で椋大にそのポジションを譲ることに。決して安定はしていないが若さあふれる椋大がチームに活気を与えてそのゲームを制すると、自身の負傷もありベンチ外へ。
33節の千葉戦で椋大の負傷により久々に出場を果たしたが、あれがなければこのままシーズンを終えていた可能性も十分にあった。
とはいえ驚いたのは、その千葉戦。
柴さんが足元の技術を決して得意とはしていないのは明らかだが、とはいえプロの選手。なにより、長年このヴェルディでやってきて、そんなド素人みたいに下手くそなわけはないんですよ。
ボールを受けることから逃げていただけ。
そんな風に思います。この千葉戦以降、バックパスを積極的に受け、ただ蹴るだけじゃなく味方につなぐ意識がシーズン序盤に比べて格段に上がっていたように見えました。38節の愛媛戦までそのまま出場して結局は札幌戦の1勝しかできなかったわけですが、柴さんのパフォーマンスに不満を漏らした人はほとんどいなかったはず。持っている技術を最大限に発揮するための自信、それがやっとついたのかな・・・と。
だからこそ。
柴さん自身の100試合目の出場がかかった39節の山口戦において、
「体調(以外の)不良」※海江田さんマガジンより
で出場機会を失い、最終節まで出番がなかったのは本当にもったいないことをした。詳細はわからないけど、”粗相”であったようで。
来シーズンに向けて
少なくともシーズン後半のパフォーマンスを年間通して発揮できるのであれば、正GKとして何の問題もない。たとえ柴さんの能力を上回る即戦力のGKを補強するとなっても、何かあったときに必ず助けてくれるはず。
34歳で成長をみせたGKは、まだまだこれからもヴェルディに必要だ。
※画像はヴェルディ公式Facebookより